お庭作りのポイント⑧「適切な勾配のスロープ編」
塩尻市M様邸 エクステリア施工写真 詳細はこちらからご覧ください。
お庭作りのポイント⑧はスロープのお話です。
お打合せをさせていただく中で、将来の事を考えてスロープを始めからご検討される方や、今必要な状況でスロープのお話をいただく事もあります。
そこで今回は、知っているようで知らないスロープの適切な勾配についてお話致します。
スロープは、段差のある場所を何らかの方法で緩やかな傾斜をつけ段差を解消する為の物です。
何らかの方法と記載致しましたが、スロープには今回ご紹介するエクステリア工事で行うスロープの他に、アルミ製で折りたたみが可能な物などがございます。
上のパース図のスロープは12.4%の勾配(1/8勾配)になっています。
車いすの自走は難しいですが、介助者の協力があれば可能な勾配です。
ただし下りには注意が必要です。
次に勾配8.3%のスロープです。(1/12勾配)今回のパース図では、先程よりスロープ部分が約2m長くなります。
アプローチ部分にスロープを設置する場合は、できるだけ緩勾配にし、車いす使用者の上肢機能や介助者の介助能力に合わせる事が必要です。可能であれば1/12から1/15勾配がよいです。
(勾配1/12は、1m上がるのに12mの水平距離を必要とする勾配)
このままでは、スロープとしては危険ですので、手摺をつけていきます。
手摺の取付方法
スロープの両側とタイルデッキを囲うように手摺を取付けました。
今回は、側面取付タイプの手摺です。
手摺にも種類があり、取付方法だけでも大きく2種類あります。
・側面取付(ベースプレート取付)
側面に取付ける事により、スロープの幅を最大に使う事が可能です。
デメリットとして、アンカーで固定する為、コンクリートブロック積で施工している場合、アンカー固定では強度が保てない事です。
コンクリートで施工していれば問題ありません。
・埋め込み式(上面タイプ)
フェンスの施工と同様に、取付部分に穴(コア)をあけ、支柱を埋め込む方法です。後から施工を行う場合でも、コア抜き工事を行う事が可能です。
デメリットとして、タイル等の堅い素材に穴をあける事で、タイルが割れてしまう可能性や、埋め込んだ支柱の回りをモルタルで埋めていく為、意匠性が損なう事があります。
ワイドステップの考え方
ワイドステップとは、蹴上を10Cm未満にし、階段の
幅と奥行きを車椅子で通れる大きさの階段の事です。
写真は松本市N様邸のワイドステップです。
スロープを設置するスペースが難しい場合にワイドステップを作る事で問題を解消する事も可能です。
ワイドステップは必ず介助者が必要になりますが、省スペースで設計出来る事と傾斜ではないため、休みながら上がる事も可能です。
周辺環境やご敷地の状況によりスロープの形状も変わります。お庭の事でお困りの事があればお気軽にアトリエグリーンまでお問合せ下さい。